銀行おまとめローンは、2018年現在は、正式に扱っているのは、東京スター銀行など一部の銀行だけです。

そもそも国内大手銀行やネット銀行に「おまとめローン」という商品はありません。銀行は総量規制が無く融資枠が大きいので、おまとめにも使えたというのが正しい解釈です。

これまで、銀行はばんばんお金を貸していたのですが、2017年、自己破産者の増加が問題となり、消費者金融より貸し出し金額が多くなってしまった銀行がやり玉に上げられました。銀行は貸しすぎ防止の自主規制をせざるをえなくなったのです。

こうして、これまでなら借りることのできた人たちも、審査に落とされるケースが増えているようです。特におまとめ目的の人は。既に借金があるわけですから、ますます審査には通りにくいと言われています。

ここでの記事は、おまとめローンへの申込みを検討している方のために、必要書類や審査のポイントなどを説明したものですが、実際には審査は厳しくなっていますので、参考程度にしてください。

総量規制って何?銀行が対象外である理由は?

消費者金融、信販、クレジットなど貸金業者は総量規制の対象です。借入総額年収3分の1まで制限しているのが総量規制となっています。過去の日本では自己破産の件数が増加傾向にあり、2003年には24万件を超えていました。そこで個人の方を守るために施行されたのが総量規制です。

総量規制により貸金業者が顧客に対し、一定額以上の貸付を行う場合は信用情報にてクレジットやローンの残高を調べる必要があります。

  • 顧客とリボルビング契約を結んだ場合
  • 1か月の貸付合計が5万円超、かつ貸付残高10万円超になる場合

グレーゾーン金利も撤廃

消費者金融などでは過去にグレーゾーン金利で貸付を行っていました。グレーゾーン金利は利息制限法の上限金利から出資法の上限金利までの高金利です。出資法の上限金利は年29.2%だったため、25%ほどの高金利が普通に存在していました。

ところが貸金業法改正により、利息制限法の上限金利を超える貸付は違法となったため、グレーゾーン金利は撤廃となったのです。過去にグレーゾーン金利で借りていた方は過払い金返還請求によって払いすぎた利息を取り戻すことが可能。ただし10年の時効があるため、過ぎてしまうと無効になってしまいます。

総量規制はいつ施行されたの?

改正貸金業法は2006年12月に成立したものの、貸金業者の準備がまだ整っていない状況です。準備が整うまで待つ必要があったため、総量規制が完全施行となったのは2010年6月18日となりました。2003年からは景気上昇も加わったため、その後は自己破産件数が減少に転じています。

銀行はなぜ対象外なのか

貸金業者は貸金業法のもとで営業を行っています。しかし銀行は銀行法のもとで営業を行っている関係上、総量規制対象外となるのです。銀行カードローンでも銀行おまとめローンでも総量規制を気にすること無く審査が受けられます。

総量規制対象外だが自主規制で制限される

総量規制対象の貸金業者だと借入額が制限されるため、銀行カードローンに顧客が流れました。顧客が銀行カードローンに流れた結果、過剰融資の問題が表面化し始めたのです。

再び借金問題に困る個人の方が増えたため、銀行によっては自主規制を始めるようになりました。自主規制により貸金業者同様、年収3分の1まで引き下げる銀行カードローンが出てきたのです。総量規制対象外であっても借入額に制限がかかる可能性が高くなっています。

金利は?借入限度額は?

おまとめローンによって特徴が異なるため、事前に把握してから申込みしたいところです。

担保や保証人の有無

銀行から融資を受ける際には担保や保証人が求められることがありました。しかし銀行おまとめローンでは担保なしで申込みできることが多いです。担保に入れる財産が無い方でもお申し込みすることが可能。

保証会社と契約し、申込者の保証を担当して貰う銀行が多くなっており、保証会社による保証が受けられれば保証人も不要です。

ただし不動産担保ローンといったローン商品では担保が求められます。担保が必要でも保証会社が保証している場合であれば保証人は不要。その代わりに保証料が金利分に含まれていることが多いです。別途保証料を支払する手間はかかりませんが、保証料の分だけ金利が高くなります。

借入限度額

おまとめローンでは借入限度額の範囲でおまとめすることが可能です。この借入限度額は担保の有無によっても変わります。

  • 担保なしのおまとめローン 最高800万円から1,000万円ほど
  • 不動産担保ローン 最高1億円から3億円ほど

返済期間

総借入額が多い場合、返済期間が短すぎると厳しくなってしまいます。しかし銀行は借入限度額が高い関係上、長い返済期間を設定するおまとめローンが多いです。

  • 担保なしのおまとめローン 最長10年から15年ほど
  • 不動産担保ローン 最長10年から25年ほど

金利

利息の負担を抑えたい時はなるべく低い金利のおまとめローンを選びたいところです。銀行おまとめローンの金利目安は次の通り。

  • 担保なしのおまとめローン 最大金利5%から14%ほど
  • 不動産担保ローン 最大金利3%から9%ほど

主婦でも利用できる?

銀行の審査では返済能力を重視しているため、収入の少ない主婦の方だとおまとめローンを利用できるのか気になるのではないでしょうか。しかし年齢や安定した継続収入など、一定以上の条件を満たしていれば主婦の方でも利用することが可能です。

パートでも安定した継続収入であれば正社員でなくても大丈夫。ただし収入が少なすぎると審査が厳しくなるため一定以上は必要です。

提出が求められる必要書類は?

銀行おまとめローンの審査時に求められるのが必要書類の提出です。この必要書類には主に次のような種類があります。

  • 本人確認書類(運転免許証、健康保険証、パスポート、個人番号カード、住民基本台帳カードなど)
  • 収入証明書類(源泉徴収票、給与明細書、所得証明書、確定申告書、納税証明書など)

自動車を運転している方は運転免許証を本人確認書類として提出すると良いでしょう。ただし本人確認書類に記載してある住所と現住所が異なる場合は、現住所が記載してある公共料金の領収書などの提出が求められる点には注意して下さい。カードローンや多目的ローンの場合、一定以下の借入限度額であれば収入証明書類が不要になることがあります。

資金使途確認書類

フリーローンの場合、この他にも資金使途確認書類が必要。契約書、見積書、注文書などが資金使途確認書類に該当します。

不動産担保ローンは必要書類が多い

不動産担保ローンでは担保ありの関係上、必要書類が多くなります。

  • 担保物件の必要書類(物件案内図、不動産登記簿謄本、公図、地積測量図、建物図面、固定資産評価証明書など)
  • 契約の必要書類(権利証、実印、印鑑登録証明書、住民票、法人の場合は代表者事項証明書や納税証明書など)

分からない場合は銀行にて相談してみて下さい。

在籍確認はある?

銀行カードローンでは審査の最後に在籍確認が行われますが、おまとめローンでも行われるのか気になるところです。おまとめ目的である関係上、他社借入があるため銀行の審査は慎重になります。そのため基本的には勤務先への在籍確認が行われるものと考えておいて下さい。

銀行にもよりますが在籍確認では担当者名を名乗っています。希望すれば銀行名と担当者名で電話をかけることも可能。銀行であれば会社名が勤務先の人に知られてしまっても、気にせずに済むのではないでしょうか。

申込み方法はインターネットが便利

銀行おまとめローンによって異なりますが、インターネットや電話、ファックスなど様々な申込み方法を用意しています。このうち最も便利なのが24時間いつでも申込みできるインターネットです。必要書類もアップロードで提出できることが多いため手間がかかりません。申込みの流れは次のようになります。

  • 申込みページより必要事項に入力
  • 仮審査結果の連絡
  • 必要書類の提出
  • 本審査結果の連絡
  • 契約手続き
  • 口座に入金(融資の実行)

なるべくスムーズに申込みしたい時は必要書類を予め準備しておくと良いでしょう。仮審査に合格しても本審査で落ちてしまうと融資が受けられませんので注意して下さい。

来店が必要になる銀行もあり

インターネットで申込みができても銀行によっては来店が必要になる場合があります。来店が必要になる銀行での流れは次の通りです。

  • 申込みページより必要事項に入力
  • 仮審査結果の連絡
  • 来店契約(必要書類を持参)
  • 口座に入金(融資の実行)

最寄りの店舗が何処にあるのか分からない時は銀行のホームページにて検索してみて下さい。来店契約する時は銀行営業日の営業時間内に来店することが必要です。仮審査の結果は一定期間で有効。有効期間を過ぎてしまうと無効になるため、早めに来店したほうが良いでしょう。何らかの事情で必要無くなった場合は契約前にキャンセルすることが可能です。

銀行おまとめローンのメリットデメリット

メリット

銀行おまとめローンにあるメリットは次の通り。

  • 総量規制対象外
  • 借入限度額が高い
  • 安心感がある
  • 毎月の返済額が減る

総量規制対象外

総量規制の対象となる消費者金融や信販のカードローンでは総借入額が多く、年収が低いと1社にまとめられないことがありました。そんな時でも銀行おまとめローンなら総量規制対象外のため、1社にまとめやすくなっています。

借入限度額が高い

担保なしのおまとめローンでも銀行では借入限度額が高いため、総借入額が多い方でも1社におまとめしやすいです。ただし申込者の返済能力や信用力によって変わるために注意して下さい。

安心感がある

消費者金融だと抵抗を感じる方でも銀行であれば安心できるのではないでしょうか。口座開設済みで日頃から取引のある銀行ならさらに安心感が高まります。

毎月の返済額が減る

銀行おまとめローンは金利が低く、返済期間も長いために毎月の返済が減ることが多いです。そのため毎月の返済が以前より楽になるのが良いところ。

デメリット

銀行おまとめローンにあるデメリットは次の通りです。

  • 審査に時間がかかる
  • 審査が厳しい
  • フリーローンは金利が高い

審査に時間がかかる

消費者金融や信販のおまとめローンと比べると銀行の審査は時間がかかります。来店契約が必要な銀行おまとめローンだと申込みから融資実行まで1週間ほどかかる場合があるのです。来店不要、インターネットで完結する銀行では数時間から2営業日ほどで仮審査の結果が出ることがあるため、急ぎの時は銀行の選び方が大切。

審査が厳しい

低い金利で貸付するほど貸し倒れのリスクが高まります。そのため金利の低い銀行おまとめローンでは審査が厳しいです。おまとめ目的とはいえ、総借入額が多すぎる方、借入件数が多すぎる方は注意して下さい。

フリーローンは金利が高い

銀行フリーローンはおまとめ目的でも利用できることがあります。しかし高めの金利を設定するフリーローンが良く見られるため、利息分を節約したい方は注意して下さい。